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突然のモテ期

お客さんなのか店員さんなのか分からないけれど、とりあえず叫んでみる。


「すいませーん!岩牡蠣、ココで食べれますかー?」
「食べれますよー。今いきますねー。」

小屋の中。


「お姉さん今日来て良かったよ。明日はもうないかも。もう来年まで岩牡蠣ないからね。」
「ホントですか?良かったーーー!!」
「お姉さんひとり?」
「うん、ひとり。ひとりで牡蠣食べに来た。笑」
「牡蠣いくつ食べる?」
「3つ」
「じゃあ1つおまけしとくわ、2つ分でいいよ、待たせたからね。」
「えー、うれしー!いいんですか?」
「お姉さんのこと待たせちゃったからさ、いいよ、いいよ。…あ、サザエは?サザエも食べる?」
「うん、じゃあ、食べる」
「何個?」
「2つ…は多いかな?」
「いや、食べれる。食べたらいいよ。これも1つおまけね。1つ分でいいよ。はい、合わせてちょうど1500円ね。好きな席で待ってて。」

🌊

漁港がよく見える、一番前の席で待つ私。

お客さんは私だけ。岩牡蠣とサザエを調理中のおじちゃんがいなくなり、テラス席の奥にはおじちゃん残り2名。どうやらみんな関係者のようで、私が声をかけた時はお昼ごはんを食べていたらしい。「待たせた」なんて、たった30秒くらいなのに、ひと口で食べるのを躊躇するほどの大きな岩牡蠣1個600円と、私の拳ほどのサザエ1個300円、計900円分をご馳走になってしまいました。

🦪

最初に運ばれてきたのは岩牡蠣。
キレイに殻が開けられていて、身は透き通る美しさ。テーブルにあったポン酢をかけて頂きました。…はい、おいすぃーーーーーーい!!!コレよコレ!!コレが新潟の!山北の!夏の天然岩牡蠣よ!!

🐚

次にサザエのお刺身。
「肝は苦味があるから好き好きだけど、食べてみて。砂抜きしてあるからね。」と言われ、壺焼きなら迷わず食べるけれど、刺身で食べるのは初めてなので、少し戸惑った私…の度肝を抜いたこのサザエの肝の刺身!!ねぇこれホントに肝なの?苦味皆無よ。プルン&トロン。口の中でとろけてなくなりました(ヤバイ。岩牡蠣目当てで来たのに、今、私は完全にサザエの肝に魅了されている…)。身はコリコリ。食べても食べてもなくならない、なんだこの量は…!!

🦪🐚 🦪🐚 🦪

そんなこんなで一通り味を楽しみ、第二ラウンドに差し掛かろうとした時、奥に座っていたおじちゃんがいつの間にかひとりになっていて、遠くから私に話しかけ始めました。

「おねぇちゃん、なぁ、おねぇちゃん、ひとり?」
「はい、ひとりです。笑」
「キレーな格好してるから、てっきり彼氏と来たかと思ったわー」
「いや、ひとりッス。笑」
「どこからきた?」
「今日仕事で胎内にいたので、そこから。」
「海沿いか?1時間くらいだろ?」
「山越えて来ました。そう、だいたい1時間。」
「あれだろ、朝日まほろばから来たろ?」
「はい。本当は海沿い行くつもりだったんですけど、なぜかナビが山道案内し始めて…笑」
「仕事、何の仕事?」
「パンフレットとかポスターとか作ってます。」
「へー。会社は?なんて会社?」
「ひとり。ひとりでやってるんです。取材に行ってお話聞いたり、写真撮ったりもしてます。」
「ふーん。…なんか、いろんなとこ行けて、楽しそうだな!」
「そうなんですー!楽しいんです!」

…と、この短い会話の中で、70・80代のおじちゃんが瞬時に私の「楽しい」を分かってくれた事に驚きつつ、残りの岩牡蠣2個とサザエ1つを平げました。おじちゃんは漁師さんだったので岩牡蠣の旬を聞いてみると「6/20-7/20」との事。「20日」というまさかの日付指定にひとりウケつつ、確かに、昔7月に食べた岩牡蠣はもっとプックリしていたな…今日のも十分美味しいけど、来年は7月に来よう!と心に決める私。

またその間、おじちゃんの奥さんらしき人がやってきて「酒は飲んでいるのか?いないのか?」等の話をしてましたが、方言が強まりよく聞き取れず。おじちゃんはちゃんと私用に標準語で話してくれていたんだな、と嬉しくなりました。

「じゃあ、帰るわ。また来てねー。」
そう言って奥さんと一緒に出ていくおじちゃん。
「あら、ごめんなさいね、お客さんだった!」
と奥さん。
「んださー。せっかくおねぇちゃんと話してたのに、オメェが来たんださー。」
とおじちゃん。

🚙

私も程なく食べ終わり、さっきの店員おじちゃんのところへ「美味しかった」と伝えに行こうと思ったら次のお客さん来店。今度はカップルだったから、たぶんおまけしないんだろうな(笑)。そしていつの間にか増えていた別のおじちゃんが「殻もらうよ」と言うので、お皿と殻を渡し「ご馳走さまでしたー」と言って車へ向かいました。

…とその途中、再び漁師のおじちゃんと遭遇。
奥さんの車に乗るところ。


「さようなら〜」
と声をかけると
「おねぇちゃんもう帰るの?」
「はい、帰ります。」
「おねぇちゃん名刺!名刺ある?」
「お父さん、やめなさいって…」
「名刺!名刺ちょうだい!」
「あ、はい…」
名刺を渡すと奥さんが
「あらライターさん!」
おじちゃんは
「おお、ミホチャン!」
最後まじまじと私を見て、
「キレーな人だなー」
と満面の笑みで去っていきました。
「あはは!嬉し〜」
と言ってお別れ。

以上、県境の漁港で訪れた、突然のモテ期でございました。ひとりで岩牡蠣食べに来た女がそんなに珍しかったか(笑)。昔から「おじさん受けする顔」と言われることはありましたが、こんなに分かりやすくおじさんにモテたのは初めてでした。しかもこんなにぐぃぐぃ来る人に会ったのも、新潟来て13年、たぶんコレが初めてだと思います。基本新潟の人、ぐぃぐぃ来ないもんね。

あー面白かった!!

行って良かった!!

名刺渡したおじちゃん、実は漁協の偉いさんで、仕事来たりしないかなー。笑

追伸:今回訪れたココは「新潟漁業協同組合 山北支所 魚売り処 新鮮家」さんです。

https://www.pride-fish.jp/shop/index.php?c=shop2&pk=1416270130

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Written by ソミヤミホ

新潟市を中心に全国の方と繋がり、印刷物やWEBサイトなど販促物の企画編集・ライターの仕事をやっています。東京での広告会社勤務→結婚を機に新潟移住→デザイン事務所勤務→印刷会社勤務→2020年3月独立。新潟初、一般社団法人コトマーケティング協会認定アドバイザー。コト売り視点で隠れた価値をカタチにします!中1長女・小5長男の2児の母。猫もいますฅ/ᐠ。ᆽ。ᐟ \